中庸と謙譲の実践/拙速の商売戦略 — 盂座の器・経営・会計運営

 日時: 2026-01-15 13:02:27

場所: 「野守の宿」壽屋寿香蔵

講師: 東根RC会員 横尾昭男

テーマ

講義の核は、孔子の時代から伝わる「盂座(ゆうざ)の器」を手がかりに、「満ちれば覆る」を戒めとして中庸と謙譲を実践することにあり、同時に商いの現場では「拙速」を合言葉に機を逃さず素早く動くことが成果に結びつく、という二つの徳目を現代の生活・経営に適用する提言である。

重要ポイント

  1. 盂座の器は「虚なれば傾き、忠なれば正しく、満つれば覆る」器であり、満ちて覆らないものはいないという戒めを示す。

  2. 事業経営で「力いっぱい」や「自分の力以上」に踏み込むと健康・家庭・社会生活にマイナス要因が生じる。

  3. 社会的地位・名誉・財産・権力でも「最高位で満ち足りる」とやがて覆って失う。

  4. 盂座の器は「中庸の徳」「謙譲の徳」の大切さを教える。謙虚に人に譲る姿勢が修養となる。

  5. 日常で器を机に置き、水を注いで自らを戒める実践が有効。

  6. 山形の菓子店の事例:新札発行に合わせ、釣り銭を新札に替えて話題化し、テレビ取材を獲得。

  7. 元号改元時にも「令和饅頭」を1時間で店頭に並べ、マスコミ露出に成功。

  8. 商売方針は「拙速」—下手でも他に先駆けて早くやることが成果に結びつく。

  9. 会計運営の示唆:いっぱいいっぱいも空(から)もダメ。余裕を持ち「水平」を保つ。

  10. 「ほどほど」の塩梅で稼ぎ、ほどほどに引退していくという生き方の示唆。

名言ハイライト

  • 「満ちて覆らないものはいない。」 -- 孔子

  • 「下手でも、つかなくても、他に先駆けて早くやることが成果に結びつく。」 -- 戸田(山形県菓子工業組合 副理事長) 菓子工業新聞

  • 「何でもほどほど、良い塩梅。」

  • 「力いっぱいは良くない。中庸と謙譲を徳として生きる。」

  • 「機を見て素早く動けば、チャンスは露出と成果に変わる。」

トピック

  1. 盂座(ゆうざ)の器と中庸の教え

    盂座の器の実演と解説を通じ、「虚なれば傾き、忠なれば正しく、満つれば覆る」という性質から、満ちれば必ず覆るという普遍の戒めを示し、経営・生活一般における中庸と謙譲の徳の重要性を結論づけた。

    • 盂座の器は空だと傾き、ほどよく入れれば水平、八分目を超えて満ちると必ずひっくり返る。

    • 孔子は「満ちて覆らないものはいない」と教訓化した。

    • 事業で力以上の拡大は健康・家庭・社会生活にマイナスを生む。

    • 地位・名誉・財産・権力でも満ち足りるとやがて覆って失う。

    • 中庸・謙譲を保つ具体策として、器を机に置き、水で戒めを可視化する。

    • 「力いっぱい」は良くない。満たさず余白を残す運営を。

    • 提言

      • 「満ちらないように。いっぱいにならないように。」

      • 「謙虚さを持って、常に自分を戒める工夫を。」

    • 金言

      • 「満ちて覆らないものはいない。」 — 孔子

      • 「力いっぱいは良くない。中庸と謙譲を徳として生きる。」

  2. 拙速の戦略と地域商売の実践例

    新札発行・改元の機会に「スピード」を武器として話題化と集客を実現した事例を紹介。「拙速」—下手でも他に先んじる迅速な実行—が露出と成果に直結することを結論づけた。

    • 新札発行当日、釣り銭を全て新札に替え、顧客の驚きとメディア取材を獲得。

    • キャスターへの名刺渡しで店舗取材を翌朝実現。

    • 改元時も令和饅頭を1時間で店頭に並べ、話題化に成功。

    • 商売方針は「拙速」。スピード感が成果に結びつくという実感。

    • 提言

      • 「拙速の思い出(標語)を書き、機を逃さぬ即行動を。」

      • 「普通の商売でも、早いに越したことはない。」

    • 金言

      • 「下手でも、つかなくても、他に先駆けて早くやることが成果に結びつく。」 — 戸田(菓子工業新聞)

  3. 会計運営と「水平」を保つ実務的示唆

    会計の現場においても「空(不足)も満杯(過負荷)も危険」であり、余裕のある運営=水平を保つことが重要と結論づけた。

    • 「空の時もダメ、いっぱいいっぱいもダメ」—水平が肝要。

    • 緊縮一辺倒はトラブルを増やす。余裕を持つ工夫が必要。

    • 次期会計へのバトンタッチも「余裕を持って」行う。

    • 提言

      • 「絡み(資金不足)にならないよう余裕財政で運営する。」

      • 「緊縮に偏しすぎず、水平を意識した配分を。」

  4. 生き方の塩梅と引き際

    「何でもほどほど良い塩梅」を合言葉に、稼ぎも引退も過不足なく進める生き方のバランス感覚を提唱した。

    • お金に埋もれてみたい誘惑もあるが、やはりほどほどが肝心。

    • 「ほどほどに稼ぎ、ほどほどに引退」する姿勢。

    • 提言

      • 「ほどほどの塩梅を日々点検する。」

    • 金言

      • 「何でもほどほど、良い塩梅。」

提案

  • 満ちらないように。いっぱいにならないように。

  • 謙虚さを持って、常に自分を戒める工夫を。

  • 拙速の思い出(標語)を書き、機を逃さぬ即行動を。

  • 普通の商売でも、早いに越したことはない。

  • 絡み(資金不足)にならないよう余裕財政で運営する。

  • 緊縮に偏しすぎず、水平を意識した配分を。

  • 器を机に置き、水で戒めを可視化する。

  • 力以上に踏み込まず、余白を残す運営を。

  • 名刺や露出導線を準備し、機会を成果に結びつける。

  • ほどほどの塩梅を日々点検する。

次の段取り

  • 日次の「盂座の器」チェックを導入し、八分目・水平を確認して運営の過不足を可視化する。

  • 「拙速」の標語を掲示し、機会発生時は即行動。名刺や露出導線を事前に準備して成果につなげる。

  • 会計は余裕財政を維持し、緊縮一辺倒を避けて「水平」を意識した配分とバトンタッチを行う。

  • 「ほどほど」の基準を設定し、稼ぎ方・引退計画を定期的に点検する。